レーシックを受けたメジャーで大活躍中の松坂選手ブログ:170630
ぼくのお父さんは膵臓ガンになってしまった。
もって6ヶ月とのこと…
「なんじゃそりゃ…」
はじめて聞いたとき、ぼくは全然実感がなかった。
ぼくは、お父さんが風邪をひいた姿すら一度も見たことがなく、
「体質が丈夫なだけが自慢だ」
とお父さん自身も常々言っていた。
そんなお父さんがガンだなんて…
ぼくはママが嫌いだけど、お父さんは大好きだ。
ぼくが高校を卒業して
芸大の写真学科に行きたいって言ったときも、
ママはつぶしがきかないと言って反対していたけど、
お父さんはやりたいことをやるべきだ!と賛成してくれた。
ぼくにとって、お父さんは良き理解者だったのだ。
24時間24時間と、
日ごとにやつれていくお父さんを見て、
「もう助かる見込みはないんだな」と悟ったとき、
ぼくはお父さんが楽しそうなところを撮影することに決めた。
バイト先のギャラリーが
2週間個展をさせてくれると言ってくれた。
ぼくは、大好きなお父さんの写真集をつくろうと決めた。
死んでゆく人の最期を写真に撮るなんて不謹慎だ!
…という人もいるかもしれない。
でもお父さんは「面白そうだな」と言ってくれた。
病室で呼吸器をつけられたお父さんを撮影した。
お父さんが営んでいたうどん屋の常連客が次々と病室に訪れて、
あまり多くを話すことはできないけれど、
やさしい表情で迎えるお父さんを写真に撮った。
お父さんが亡くなって、ぼくはお父さんの写真展を開いた。
ギャラリーに訪れたお父さんの常連客や弟子たちは涙を流し、
写真集をめくりながら、お父さんとの思い出を語ってくれた。
写真はぼくとお父さんとの共同作品になったと思う。
ママとの関係も少しずつよくなってきている。
ぼくはお父さんの子供に生まれて、
本当に良かったと思う。